「うそ八百八町」 読んでってくだされ!   

(その壱)

 速報!水前寺▲子マラソン開催決定
 来る10月8日(体育の日)に熊本県で第一回水前寺▲子マラソンが開催されるそうである。
 言わずと知れたことながら、水前寺▲子の名は出身地の名跡、熊本市の水前寺公園から付けられたものだが、今回のコースも同公園をスタート・ゴールとし、10kmとフルマラソンの二種目が行われるとのこと。
 詳細は未定だが、漏れ聞くところによると、とにかく普通じゃないんだそうである。各地でマラソンは毎週開催されており、後発の大会なので何か特色を出さないとランナーが集まらないと、大会関係者が知恵を絞った(絞り過ぎた)ようだ。その特色とは、鋭い方ならお分かりかと思うが、彼女の代表曲「36△歩のマーチ」を思い浮かべて貰えれば答が出る。そう、「・・・3歩進んで2歩下がる・・・」なのである。つまりゴールまで延々と「3歩進んで2歩下がる」を繰り返す。勿論、マラソンなので走ることは許される。
 大会実行委員会は、この「名案」を地元の熊○新聞等にプレス発表し、翌日の新聞記事を楽しみに各々帰宅した。ただ、布団に入ってよくよく考えると「迷案」であることに気付いた。
 その発見とは、3+2=5ではなく3−2=1ということです。つまりこのレースは、単純には5倍の距離を移動しなくてはなりません。フルマラソンの場合、実に42.195km×5=211kmの距離となる。10kmの部でも実質50kmとこちらもウルトラマラソンになってしまう。ただ実際には前へ進むより後退する方が歩幅が短くなるので、これ程の延べ距離とはならないだろう。でもこれは単に211kmなり50kmなりを走るのよりも、かなり過酷なことは疑う余地がない。
 翌朝、大会関係者は「明暗」を分けることとなった新聞記事を眺めながら、溜息をついた。『−募集人員/各種目2000人−』

…もしかするとこれを読まれてチャレンジ精神がウズウズして来た物好きの方もおられるのでは?「36△歩のマーチ」が鳴り響く中、「汗かきベソかき」感動のゴールテープを切る勇者は何名いるのだろうか…。

(その弐)

 真説ガリバー旅行記(脱出の真相)
 「ガリバー旅行記」は、作者ジョナサン・スウィフトによる1726年の作品で4つの物語から構成されている。本来は風刺小説だということだが、その中で第一部の小人国は童話で小さい頃触れる機会が多く、大なり小なり殆どの人の記憶に断片的にであれ、残っているはずである。
 小人国に漂着したガリバーが全身を縄で縛られて横たわっているシーンは特に有名で、挿絵やテーマパーク等でも見かけることが多い、代表的なシーンである。縛られているガリバーは自力で脱出するのだが、その動機について明確には書かれていない。本音というやつである。フィクションの世界とはいえ、生物学的見地からはしっかりした動機があるはずである。
 彼が縛られていた推定時間から、それは生理現象にあったと考えられる。男女を問わず、いや人間でなくとも動物ならば最優先される生理現象とはつまり排泄行為だと言える。歴史的な哲学者も、どんな哲学も生理現象には勝てないという主旨のことを述べているが、正にその通りである。同じ生理現象でも、睡魔は意識そのものがなくなるし、空腹も極限では死に直結するものの時間的余裕はある。
 それに対して排泄は意識がしっかりしている中で耐えなければならず、傍観者にとっては至極滑稽であるが、当事者にとっては意識を逸らそうとする程、高波のようにとめどなく打ち寄せて来るのである。
 ガリバーは我慢出来ずに立ち上がった。しかし小人の国では彼に合ったトイレはなく、隠れる場所もなくさぞや困り、また滝のような音と辺り一面が水浸しになり、その異臭で住民の反感を買ったことだと想像される。

(その参)

 JRA’マラソン情報
 何か驚くような結滞な情報はないものかと思っていたら、月も後半に入ったしまった。小生の趣味はマラソンと競馬だが、そこにふと耳寄りな噂が舞い込んできた。
 この度JRA’の理事に就任したX氏は大のマラソン好き、見るだけでなく自らもジョギングに精を出しておられるそうな。昨今の天下りへの風当たりの強さを市民ランナーへのサービスで少しはかわそうという意識も半分、自らもやってみたい好奇心半分でJRA主催のマラソン大会を企画するよう指示したそうである。会場は当然、競馬場である。全国の9つの競馬場(札幌・函館・新潟・福島・中山・中京・京都・阪神・小倉)で地方予選を開催し、全国大会は東京競馬場を使用するというものである。種目は芝とダートの二種目、距離は20km前後(約10周)を予定している。競馬場の芝は深く、ダートも砂浜を走るようで、また周回毎の直線には坂が控えているという、人間には結構過酷なコースとなるであろう。この非公式情報に競馬関係者の間では当然、賛否両論が噴出しているそうな。
 小生にとっては願ったりもない企画で諸手をあげて賛成なのだが、果たして開催に漕ぎ着けるかどうか…。その一番のネックが、このレースの噂と反響によって、殆ど世間で知られていなかったX氏の天下りが白日の下にさらされ、その身が危うくなってきたことだと言うから、何とも笑えない話ではある。
     (注.JRA’はJRAとは関係のない異なる団体である)

(その四)

 ファーストコンタクト
 古代遺跡からも地球外生命体との遭遇について証拠とされるものが数々残されているが、日本にも存在する。神話の世界の事例は別にしても、それより新しいいわゆる昔話の中にも痕跡を残している。週刊誌で見つけた日本寓話研究所の記事を引用するとざっと次のようである。
 宇宙人とのコンタクトと聞いて、誰でも思い当たるのがまず「かぐや姫」(竹取物語)である。発見が竹の中とあるが、実は何らかのカプセルであり、最後もはっきりと万人が見届ける中、宇宙へと旅立っている。これだけはっきりとした痕跡を残しているのも珍しいケースである。竹林での発見は、宇宙船の故障不時着説と故意にかくや姫を預けた説とが学会を二分しており、まだどちらが優位というまでには至っていないそうだ。
 カプセルと言えば、桃太郎がそうである。桃太郎はサル、キジ、犬をテレパシーであやつり、鬼を退治した功績で地球人の権力中枢に潜り込んでいった。
 逆に宇宙人に連れ去られた話では、浦島太郎がある。ほんのひと時を過ごしただけなのに、地球に返って見ると何十年も経過しており、自分の知っている人々は老いて死んでいたというのは、宇宙船が光速で飛んだ時に起こる、相対性理論で説明されている現象である。
 このように数々の逸話が残されているということは、宇宙人がかなり地球に侵入していることの証であり、当然遺伝子技術等を屈指して、地球人との混血が生まれ、天才と呼ばれる人々を生み出し、文明が爆発的な発展を遂げることになるのである。

(その五)

 育毛剤
 世の中には育毛剤が多々ある。薬効成分も種朱様々である。これもストレスや環境の悪化の所以と思われる。
 さて行きつけの理髪店で聞いた話であるが、頭髪の成分そのものを抽出した育毛剤があるそうな。一般には市販されておらず、理髪店だけで取り扱われ、それも馴染みのお客に口コミだけで分けられているそうである。
 原料となる髪の毛は、ご明察の通り散髪で刈られたもので、毎週製造元が商品の納品と回収に回って来る。美容院の毛髪は茶髪、金髪etc.が混ざっており育毛剤に混ざると黒髪が生えてこない?…確かに波平さんが茶髪になったら妙ではある。毛髪1kgから10mg程度の抽出量で大量に市販するのは無理とのこと。抽出方法その他はまる秘で理髪店の店主も知らなんだ。
 増毛は勿論だが、育毛の方も髪の伸びる速度も通常の1.5倍ということである。冗談話として店主が「こっそりヘアトニックに混ぜてお客に付ければ店の利用者も1.5倍、収入も1.5倍となってバン万歳な話だが、ただ不況の時節柄、あそこの店で刈ると1か月持たないなどという噂が立ってはやぶ蛇になるからなあ」と語っていた。
   肴酒

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